物議を醸しているワンピース1126話。黒ひげ海賊団の捕虜となった海軍英雄ガープの消息が、ついに明らかになりました。
コビー救出作戦での壮絶な戦いから、元弟子クザンとの激闘、そして現在の状況まで、大きな話題を呼んでいるガープの動向。海軍の象徴として、そしてルフィの祖父として、その存在は物語の重要な転換点となっています。
今回は、ガープを取り巻く最新情報から、その波乱に満ちた過去、さらには謎多き現在の状況まで、徹底的に解説していきます。
ガープ死亡の真相とは
生存確認!現在の状況と黒ひげとの関係
黒ひげ海賊団によって鎖で拘束された状態で、ワンピース1126話でガープの生存が明らかになりました。この展開が描かれた同話では、三つ目族のプリンがハチノス島へ連行され、シマシマの実の能力者ピサロがコビー逃亡の責任を問われる事態となりました。
黒ひげことマーシャル・D・ティーチは、海軍英雄ガープの拘束を成功させたクザンの手柄を高く評価しています。世界最強の海軍英雄を討てる実力者は限られており、黒ひげ海賊団にとって大きな戦果となったのです。
ベガパンクのメッセージにより「ひとつなぎの大秘宝」の重要性が再認識される中、黒ひげ海賊団の勢いは増す一方です。海軍の象徴であるガープの身柄は、コビー以上の価値がある取引材料となっています。
愛弟子コビー救出作戦での活躍
1080話では、コビー救出のためにガープが海賊島へ突入する壮絶な場面が描かれました。覇気を纏った「拳骨衝突(ギャラクシーインパクト)」は、爆弾のような破壊力で周囲を粉砕しました。
ガープは自身の衰えを感じながらも、クザンとの直接対決で圧倒的な力を見せつけました。凍らされた状態からも自力で脱出し、強烈な反撃を繰り出しています。
元一番弟子クザンとの激闘
1081話で明かされた衝撃の事実。元海軍大将のクザンが、黒ひげ海賊団の10番船船長として登場したのです。かつてガープの一番弟子だったクザンとの戦いは、武器を使わない素手での激闘となりました。
二人の戦いの背景には深い絆があります:
- ガープの特訓「軍艦バッグ」を共にした日々
- 覇気を使わず軍艦の装甲を素手で鍛える特訓
- クザン自らがガープの弟子となることを志願
努力と鍛錬で培った二人の力は、単なる天賦の才ではありませんでした。師弟の情がある中での戦いは、互いに本気で命を奪い合うものではないという見方も強まっています。
クザンがオハラでハグワール・D・サウロを助けていた事実からも、ガープの命を救う可能性が考察されています。
笑って託した!ガープの覚悟と信念
ガープは瀕死の状態でも、海軍の未来を信じる笑顔を見せました。この場面は、ワンピースの歴代の偉人たちが見せた最期の姿と重なります。ゴール・D・ロジャーは次世代の海賊たちに、ポートガス・D・エースはルフィに、光月おでんはワノ国の民と赤鞘九人男に、それぞれが大切な意志を託して笑顔で去りました。
ガープもまた、後進に向けて力強い言葉を残しました。「この一件がいずれ海賊達の脅威となる!前進せよ!お前達が海軍の未来だ!」という言葉には、海軍の新世代への深い信頼が込められています。
しかし、ガープの状況には不可解な点が残されています。クザンの行動がその最たる例です。シリュウの攻撃を受けた箇所と同じ位置をクザンが狙って凍らせた点は、単なる偶然とは考えにくいのです。エッグヘッドでの黄猿の行動とも共通する、この不可解な攻撃位置の真意は明らかにされていません。
追い詰められた状況でも笑っていたのは、いかにもガープらしいです。しかし、クザンの不可解な行動は、状況がそう単純ではないことを示唆しているのかもしれません。
ガープの過去と伝説
ロジャーとの友情とゴッドバレー事件の真相
海賊王ゴール・D・ロジャーとガープは、宿敵でありながら深い信頼関係で結ばれていました。ガープはロジャーの名を聞くだけで血を滾らせ、任務を無視してまで追跡する執念を見せていたのです。
しかし、グランドライン制覇後のロジャーは、誰もが予想しなかった行動を取ります。自ら海軍に投降したロジャーは、投獄された牢の中でガープと対面。サウスブルーにいる妻の懐妊を告げ、妻子の保護を懇願したのです。
「何度も殺し合いをした仲だろう!信頼出来る!」というロジャーの言葉に、人情に厚いガープは渋りながらも応えました。海軍として海賊の家族を保護することは重大な違反行為です。それでも、戦いを通じて育まれた奇妙な縁を受け入れ、ロジャーの願いを承諾したのでした。
ロックス海賊団との戦い
「海軍の英雄」という称号の裏には、38年前の「ゴッドバレー事件」があります。世界最強と恐れられたロックス・D・ジーベック率いるロックス海賊団を、ガープは打ち破ったのです。
後に四皇となるビッグマム、カイドウ、そして白ひげをメンバーに従えていたロックス海賊団は、世界中で猛威を振るっていました。そんな彼らが、ゴッドバレーという島で壊滅したというニュースは、世界中の海を駆け巡ったのでした。
この戦いでガープは、ロジャーと手を組んでいました。海賊と協力したという事実は、海軍と海賊の協力という前代未聞の事態であり、政府による情報統制とガープ自身の意向で極秘とされています。
センゴクの証言によると、この事実を知るのは極めて限られた人物だけでした。海軍の英雄という輝かしい称号の裏で、ガープは意外な真実を秘めていたのです。
頂上戦争でのガープの名言集
「悪党に同情はねェが……家族は違う……!」
エース処刑前、センゴクの叱責に対してガープが放った言葉には、軍人と親という二つの立場の葛藤が込められています。海賊となったルフィとエースの道には同情の余地がないと断言しながらも、家族を思う親としての気持ちは隠しきれませんでした。
海軍の英雄として、そして一人の父親として、相反する立場の間で揺れ動くガープの苦悩が伝わってきます。人情深い彼だからこそ、この二つの立場の狭間で深く悩んだのでしょう。
「エース貴様……!なぜわしの言う通り生きなんだ!」
処刑台の上で戦場を見下ろしながら、ガープは涙ながらにこう叫びました。強い海兵になってほしいという願いとは裏腹に、2人は海賊の道を選んでしまいました。
自分が示した生き方を選んでいれば、この状況は避けられたのではないかという後悔の念が、この言葉には込められています。海軍の英雄としての誇りと、家族を守れなかった無力感が交錯する瞬間でした。
「ここを通りたくば わしを殺してでも通れ!」
エース救出に向かうルフィの前に立ちはだかり、ガープはこの言葉を投げかけました。実の孫を「麦わらの」と呼び、海軍の敵として扱おうとする姿勢には、軍人としての決意が表れています。
しかし、最後の最後で家族への情が勝り、ガープは攻撃を躊躇してしまいます。その隙をついてルフィは突破に成功したのです。この場面は、いかに強く決意してもなお、家族の絆を断ち切ることができないガープの本質を象徴しています。
ガープの現在の強さと家族の絆
モンキー家の血統が受け継ぐ強さ
モンキー家の3代は、それぞれが世界を揺るがす存在として名を轟かせています。
- ガープ:78歳、海軍の英雄として知られる海軍本部中将
- ドラゴン:55歳、世界最悪の犯罪者と呼ばれる革命軍総司令官
- ルフィ:19歳、新世代の四皇として君臨する海賊
海軍、革命軍、海賊と、異なる立場でありながら、各々が自らの信念で頂点を目指した3人。バラバラに見える家族を繋ぎとめているのは、やはりガープの存在です。ガープとドラゴンの間には何らかの連絡手段があることも示唆されています。
3代の親子共演はあるのか?
海軍としての誇り高き志と、家族への深い愛情を持つガープ。ルフィに引けを取らない奔放さを見せながらも、その言動には確かな信念が込められています。
モンキー家3代の共演は、多くのファンが待ち望む展開です。もし実現すれば、3つの異なる正義がぶつかり合う瞬間となるでしょう。
捕虜としてのガープの現在
黒ひげ海賊団の目的は、ハチノス島の世界政府加盟国化にあります。当初はコビーを交渉材料にしようとしましたが、英雄ガープの捕縛により、より強力な取引カードを手に入れたといえます。
ゴッドバレー事件の英雄であるガープは、政府や世論への影響力もコビー以上。しかし、この事態には不可解な点も残されています。
クザンの立場も謎に包まれています。黒ひげとの「利害の一致」という言葉の真意、そしてSWORD(ソード)との関連性も取り沙汰されています。もしクザンが内部からの工作を計画しているのだとすれば、ガープとの戦いも演技であった可能性も考えられます。
何より、ガープはあのルフィの「ジィちゃん」。モンキー家の血を引く者として、その生命力は侮れないものがあるはずです。
ガープを演じた声優と作品での役割
アニメ版の声優の過去作品と経歴
アニメ『ONE PIECE』でガープの声を務めるのは、実力派声優の中博史です。1960年生まれの声優で、賢プロダクション所属のベテラン声優として知られています。
年配の男性キャラクターを得意とする中博史は、以下の作品でも印象的な役を演じています。
- 『ワールドトリガー』ウィザ役
- 『ハイキュー!!』鵜飼一繋役
落ち着いた低音と、時に豪快な演技で、海軍英雄ガープの人間味あふれる性格を見事に表現しました。アプトプロ付属養成所で講師も務める中博史は、実年齢以上の貫禄のある声で、ガープの複雑な心情を巧みに演じ分けています。
人情味あふれる海軍の英雄、厳格な上官、そして孫思いのおじいちゃんという、ガープの多面的な性格を、中博史は絶妙なバランスで表現し続けています。
まとめ
ガープの生存が確認され、黒ひげ海賊団の捕虜となった状況が明らかになりました。コビー救出作戦での活躍と元弟子クザンとの激闘は、衰えぬ英雄の姿を見せつけました。
海軍の象徴として、そして一人の家族として、相反する立場の中で生きてきたガープ。ロジャーとの友情、ロックス海賊団との戦い、頂上戦争での苦悩など、その生き様は多くの伝説を残しています。
現在も謎に包まれたクザンとの関係、そしてモンキー家3代の今後の展開など、ガープを取り巻く物語はまだ終わっていません。海軍の英雄は、新たな歴史の1ページを刻もうとしています。